ジーンズ誕生から1940年代初頭まで
当たり前に付いていた代表的なディテール
「尾錠」シンチバック。
この「シンチバック」ジーンズ誕生当初から
かなりこだわって修正を繰り返していたようなんです。
そもそも「シンチバック」とは当時のワークパンツには欠かせないディテール。
サスペンダーで吊ってはいるものの、ウエストを調整
する補助的パーツとして使われていたことは皆さんもご存知だと思います。
当時のワークパンツは股上が深く、ベルトでウエストを
絞めて履くのにはとても不向きとされていました。
そのため皆サスペンダーで吊っていたわけですが
それだけではカバーできない何かが
この「シンチバック」を必要としたんだと思ってるんです。
ただこれが調べても出てこない💧
仮説としては
1つめ サスペンダーをしないで履くような用途が
存在し、ベルトの代わりとして使った。
2つめ 作業中にウエストをより締めないとできない 作業があった。
なぜこんなことを言うかというと、まず
リーバイス社からのジーンズがリリースされた
当初、「シンチバック」の両端にはリベットが打ってなかったんです。
それがわずか数年の間に縫製も含めてかなり頑丈な作りに変更され、
リベットが打たれるんです。
これはこの「シンチバック」をウエストを絞めるため
欠かせないパーツとして頻繁に使っていたことに
他ならないという証拠ではないかと。
それともう一つ。
19世紀の頃の「シンチバック」はウエストに対して
約2/3の長さがあって。
長いということはよりしっかりとウエストを絞める
ことができるということだと思うんです。
この2つからかなり「シンチバック」はウエストを
絞めるという重要なパーツであったんだなあと
予測がつくのですが、
なぜ重要だったのかそれがが知りたい!
と思っています。
それが20世紀に入り、ベルトループと併用する頃に
なると「シンチバック」のその長さはウエストに対して
半分程度まで短くなるんです。
これはもはやこの時代では実用ではなく装飾になってしまったんだと思います。
だから第二次世界大戦時に「シンチバック」は装飾
としてディテールを排除する憂き目に遭うんですよね。
もちろんベルトループが付いた時点で「シンチバック」
はもう必要ないよね。と僕も思います。
おそらく股上が深くなければならなかったワークパンツ
から、カウボーイなどが履くもう少し股上が浅い仕様に
当時の需要に応じて変化した結果だったろうという
ことは想像に難くないかなと。
それでもディテールとしてしばらく残っていたのは
一部の人がまだ必要だった。
それから
やっぱりバックシルエットが「シンチバック」が
ある方がかっこよかったんだろうなあ。
それでしばらく残っていたと。そう思います。
まあ謎として
なぜワークパンツが股上が深くなければならなかったのか。
なぜシンチバックを使用してウエストを絞めなければ
ならなかったのか。
この二つはわからないのですが、
もっと調べていずれ解き明かしたいなと思いつつ。
今日は「シンチバック」のお話でした。
もしご存知の方がいたら教えてください
m(_ _)m