よくお店で質問されます。
「ジーンズの洗い方、履き方に決まりはあるんですか?」
私はいつも「ジーンズを洗うこと。
これに決まり事はないんです。」
と答えるようにしています。
ですが注意すべきところや色落ちのさせ方には
コツはあると思っているのでここではそれを話したいと思います。
ジーンズにとって洗うことで起きること
◯色が落ちること
◯太陽の元で干してしまうとインディゴ染料が
焼けてしまうことが希にあること。
注意点はこの二つ。
それ以外には本人が育てるためにどうしたいか
という意思なんです。
まず
色紙落ちてしまうのは致し方ないこと。
今はジーンズ専用の洗剤を使うことで色落ちの
スピードは調整できますが、色落ちを止めることは
できません。
だからジーンズを買ったら色落ちのイメージを
決める必要があるんです。
1.濃淡をはっきり付けたい。
2.全体的に綺麗に色を落としたい。
1.の場合。
デニム生地は紙と同じだと想像してください。
履き込むほどにシワは強く入ります。
洗わずに履き込むことで、シワは中々戻りにくく
強く入ったシワは凹凸になり、凸の部分はより
擦れ色が落ちていきます。
ということは洗う回数を減らす、あるいは
履き込みはじめたらある程度洗わずに履く。
ということです。
膝裏のハチノスやヒゲをはっきり入れたい場合は
ノリ落とししたあと、あるいはワンウォッシュ後
しばらく洗わない。
ということになります。
2.の場合
シワがしっかりと生地に定着する前に洗うと
生地は再現性があるので、平らに戻ります。
マメに洗ってあげれば、生地は平に保たれ
全体的に綺麗に色が落ちていきます。
ジーンズをどう育てたいか。
最初にイメージをある程度持たないと、
いざ育て始めた時に自分の育て方向とは
程遠い色落ちになってしまうことがあるんです。
1.の場合はノリ落としをした後は半年ほど
洗うのは我慢。
しっかりとシワが入った後に洗えば擦れてる部分は
よりはっきりと色落ちし濃淡が付いた色落ちに
なります。
また洗い回数が少ない1の場合、インディゴの色は黒く沈む傾向にあります。
2.の場合はシワがしっかりと生地に入る前、
大体ひと月に一度程度、あるいは5回から10回
履いたら洗ってあげましょう。
全体的にヒゲやハチノスは強く入らずに
色が落ちていきます。
洗い回数の多い2の場合、インディゴの色は明るく鮮やかになる傾向にあります。
ここで注意。
2.の場合でも動きが激しかったり、汗をかいたまま
だったりすると生地は平らに戻りにくくなるので
ヒゲがつきやすくなります。
2.を狙う場合汗をかいたり、激しく動き生地に凹凸が
ついた場合はすぐに洗ってあげましょう。
洗う際の注意として
◯必ず裏返しにして洗いましょう。
インディゴは紫外線に弱いです、干す時に
裏返しのまま干した方がインディゴが焼けません。
また裏返すことで、洗濯機に入れて回した時に
当たって変な場所が色落ちしてしまうことが
避けられます。
◯洗濯機に入れる時はなるべく二つ折りにして
洗いましょう。
くしゃくしゃにして入れてしまうと、洗い上がった
時に、必要以上に洗いジワが入ってしまい、
乾いた後しわくちゃになってしまいます。
そこが余計なシワとなり、履いてる時に
色落ちして欲しくない部分が色落ちしてしまいます。
◯乾いてから表に戻す
濡れている時はインディゴは移染しやすいです。
着ているものに付いてしまったりします。
紫外線に弱いこともありますから、必ず乾いてから
表に戻しましょう。
ジーンズの洗い方には決まりはありません。
ただデニム生地の特性を知っていてください。
そうすればよりイメージに近い色落ちを狙うことが
できるのではないでしょうか。
今のジーンズは洗剤を入れて洗っても真っ白に色落ち
してしまうようなことはありません。
デニム生地にとって皮脂汚れは大敵です。
生地の目の中に入り込む皮脂は穴あきの原因にも
なります。
ジーンズを長持ちさせたいなら
汗をかいた時
ひどく汚れた時は
躊躇なく洗ってください。もちろん洗剤を入れて。
皮脂汚れを生地の中に溜め込まない。
これがジーンズにとって重要なことです。
洗わないジーンズはある時突然穴が空き
どんどんボロボロになっていった
なんて経験ないですか?
これは皮脂汚れが生地の目の中に入り、
それが取れなくなり目が開いたところに力が
加わって穴が空きやすくなっているんです。
ジーンズを糊付けして履きこんだり、乾燥機に
入れたり。
このようなことは履く人にとっての自由です。
気をつけなければいけないこと。
それは生地の特性を知る。
ということなんです。
明日からジーンズの履き方が変わるかな?
何か気になることが有れば
お店に問い合わせください^_^
できる限りお応えします。